【軽井沢新聞11月号】旧軽銀座に65室の分譲ホテルコンドミニアム建設、県が実地調査へ

 旧軽井沢銀座通りに建設予定のホテルコンドミニアムについて、近隣住民や軽井沢町が長野県に対して、県の景観審議会での慎重な審議を求めた。県は11月6日、軽井沢新聞社の取材に対し、建設計画の審査期間を2カ月延長し、実地調査等を行うと回答した。

 計画中のホテルは東急不動産株式会社が建設し、地上3階、地下1階、客室が65室。建設地は、旧軽井沢銀座通りの中でも特に旧中山道の宿場町の面影が残るエリアだ。

 住民らは「江戸時代から間口二間(約3・6㍍)の小さなお店が連なっている街並み。本計画は間口70㍍超のボリュームのある3階建てで、周囲の景観を壊す」と、規模の縮小や意匠など景観への配慮を求めてきた。住民らは今年2月に町へ2156筆の署名を提出。また10月20日には、長野県庁を訪れ、県の景観審議会での審議等を申し入れた。

町も異例の対応

 こうした住民らの要望を受け、軽井沢町は、東急不動産が提出した景観条例の届け出に、町としての意見を付与して県に提出。長野県景観条例に基づき、長野県景観審議会での諮問・審議を求めた。

 軽井沢町の景観は、県の「軽井沢町景観育成基準ガイドライン」に規定され、事業者は景観の維持、保全、育成に努めなければならない。町が県に対して慎重な審議を求めたことになる。

 これを受け、県は実地調査などが必要と判断し、期限を12月19日まで延長して審査する。取材に対し県は、県の景観審議会への諮問の予定はないが、必要と判断した場合は意見聴取等を行うと答えた。

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(江戸時代からの宿場の雰囲気を残している旧軽井沢銀座通りの北端部。ホテル建設予定地付近)

客室を販売予定、マンションとの違いは...

 今回の計画では、分譲のホテルコンドミニアムとして販売を予定している。客室の購入者はホテル運営会社と賃貸借契約を結び、客室をホテルとして貸し出す仕組み。

 軽井沢自然保護対策要綱では、マンションなど集合住宅は1棟につき19戸以内と定められているが、分譲ホテルは「炊事のための施設を有しない客室にこの基準を適用しない」と記されている。住民らが受けた説明によれば、今回の計画ではコンドミニアムにキッチン等の設備はないという。

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(旧軽井沢銀座通りの建設予定地では、工事が進められている)

軽井沢町景観育成基準ガイドライン(抜粋)

3 事業者等の責務

軽井沢町において建築物の建築行為等を行おうとする者は、このガイドラインに規定する数値基準等に適合させることはもとより、敷地周辺の既に形成されている景観との調和に努め、良好な自然と景観の維持、保全、育成に最大限の努力をしなければならない。

イ 規模

(ア) 浅間山や佐久平への眺望をできるだけ阻害しないようにするとともに、周辺の基調となる景観から著しく突出した印象を与えないような規模、建築物等と敷地の釣り合い、高さとすること。

(イ) 高さは周囲のまち並みとしての連続性に配慮するとともに、圧迫感を生じないよう努めること。

ウ 形態・意匠

(イ) 建築物等の上部及び正面のデザインに特に留意し、都市美の形成やランドマークの育成にも努めること。

(ウ) 壁面等は、大規模な平滑面が生じないよう、陰影等の処理に配慮すること。

(エ)周辺の基調となる建築物に比べて、規模が大きい場合には、屋根、壁面、 開口部等の意匠の工夫により、圧迫感や威圧感を軽減し、周辺との調和を図ること。

*イとウの項目は、本ホテル建設計画が該当する地域での規定

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