「新しいことに挑みたい」

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 セゾン現代美術館は現在、企画展「恋する現代アート」を開催中だ。2013年から同館の代表理事を務める堤たか雄さん(45)が、就任後初めて主体となってキュレーションした。
 同館は高輪美術館(東京)を前身とし、1981年軽井沢町に移転。20世紀以後の現代美術作品500点余りを収蔵し、それらを紹介し続けてきた。セゾングループ創始者堤清二氏(1927~2013)の逝去後は、次男のたか雄さんが代表理事を引き継いだ。「父・堤清二はセゾン美術館の開館に際し、セゾン現代美術館は『時代精神の根拠地』であるべきで、その運営者は『破壊的精神の持ち主』でなくてはならないという言葉を残しました。その姿勢を受け継ぎ、新しいことに挑戦していきたいですね」と堤さん。
 来場者の裾野を広げたいという思いから、「恋」を切り口に、近年展示されることのなかった収蔵品約50点を含む、150点余りを紹介。入館してすぐの場所に天井から吊されている、画家・門田光雅さんがアクリルで描いた大作「anima」は、同企画展のために制作した初公開品。関連性のある作品を並べるなど、レイアウトも遊び心のあるものにしている。「今までは、現代アートに親しんでいない人にとって敷居が高い専門的な企画が多かったので、その流れを変えたかった。西洋の美術館のように、意見や感想を自由に議論しながら観てもらえれば」と広く来場を呼びかけている。

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