立原道造構想「芸術家コロニイ」現代に 一棟目の小屋、油や敷地に完成

1811_topics_tatihara.JPG 10㎡以下の敷地に木造2階の小屋を建てた。立原のスケッチの通り、屋根は片流れ。

 追分の歴史遺産「油や」の保全などに取り組む「NPO法人油やプロジェクト」が、詩人・建築家の立原道造(1914ー39)が構想した「浅間山麓に位する芸術家コロニイの建築群」を、現代の解釈で形にする「隠れ家プロジェクト」を進めている。

 立原の構想は、追分一帯に芸術家などが集う村を形成するというもので、東京帝国大学工学部建築学科在学中に卒業制作で描いた。集落中央のロッジを囲むように、芸術家の小屋や図書館、音楽堂などが点在するスケッチを残している。

 一つ目の小屋が10月、「油や」の敷地に完成した。外壁にはアルミ合金などを使い、2階へははしごを使って上れる。アート作家の作業場や、作品の展示場などに使用する予定だ。

 設営にかかった約300万円は、油やで開催したイベントの収入や会員からの寄付、クラウドファンディングなどで集めた。小屋は今後、様々な建築家に依頼し複数棟建てていく計画だ。

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