軽井沢の外国人の手記や回想集め、一冊に 戦時下の暮らしぶり明らかに

 太平洋戦争中に軽井沢で暮らした外国人に焦点をあてた著書「アウトサイダーたちの太平洋戦争ー知られざる戦時下軽井沢の外国人ー」(芙蓉書房出版)を、横浜市の映像翻訳家髙川邦子さんが5月に発表した。「四方八方手を尽くして集めた」という、当時の関係者の回想、手記などを分析。メール取材、聞き取り調査を行い3年かけて、当時の様子を浮き彫りにした。

 著書によると、軽井沢で暮らした外国人は終戦時に2000人弱で、軽井沢全体の人口の1〜2割を占めた。戦争末期には、巨人などで投手として活躍した日本プロ野球選手のヴィクトル・スタルヒン、戦後タレントとしてテレビやラジオに出演したロイ・ジェームスも軽井沢にいた。

 食糧を手に入れるのに四苦八苦した様子は多くの人が手記に残している。ハンガリー人エンジニアのエルンスト・クァスラーは、北軽井沢で物々交換した牛肉を、特高警察に見つからないよう運んでくる「決死の作戦」について記述。車掌に口止め料を払い、カーブのところで列車から肉の入った容器を放り投げてもらい、日が暮れてから自転車で回収に行ったという。

 当時軽井沢にいた外国人は、同盟国、敵国、中立国の出身者、無国籍の人もいて人種は様々。立場によって、配給などにも格差があり「囚人のような暮らしと書いている人もいれば、今でも助けてもらったと良い印象を持っている人もいる。一つのステレオタイプはなく、多様だった」と髙川さん。

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「アウトサイダーたちの太平洋戦争ー知られざる戦時下軽井沢の外国人ー」(芙蓉書房出版)336ページ。2640円。

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