日本とフランスの交流を発信 軽井沢安東美術館3周年式典

 軽井沢安東美術館で10月4日、開館3周年の記念式典が開かれ、来賓や関係者およそ90人が参列した。同館は、フランスで活躍した日本人画家・藤田嗣治の作品だけを展示する初めての美術館として2022年にオープン。3周年記念として、フランスのランス美術館との共同企画展「藤田嗣治からレオナール・フジタへ 祈りへの道」を開催する(26年1月4日まで)。ランス美術館所蔵の素描やデッサン、絵画など46点が展示されるが、内44点は日本初公開。

 ランスは藤田が晩年に洗礼を受けた場所で、藤田嗣治の最高傑作「フジタ礼拝堂」が建立されている。今回の展示はランス大聖堂に献納した「聖母子」などを中心に、藤田嗣治の晩年にスポットを当て、キリスト教との関わりや礼拝堂制作へ取り組んだ境地を紐解く。

 オープニングの式典で挨拶に立ったフランス大使館文化参事官は、同美術館の取り組みを評し、「これまでの3年間が、日仏間のこれから長きにわたる交流の幕開けとなる」と期待を寄せた。代表の安東泰志さんは「本展覧会が一つのきっかけとなり、当館や軽井沢町が世界とさらに繋がり、より国際的な存在となれることを願っています」と語った。

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(写真=祝辞を伝える仏大使館のマチュー・フルネ文化参事官。

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