工業化住宅の国産第一号

1709_topics_agata02_280.jpg 2016年に国の有形文化財に登録されたセキスイハウスA型。講演した工学院大学客員教授の二村悟さん(右)と松村さん(左)。 1709_topics_agata01_280.jpg
 ハウスメーカー大手の積水ハウスは8月28日、国登録有形文化財の「山崎家および臼井家別荘(セキスイハウスA型)」の見学会と講演会を開いた。報道関係者ら約40人が参加した。

 同物件は1963年建築。居室に水まわりを備えた本格的な工業化住宅の国産第一号で、建築当初のまま完存している唯一の例。

 1971年に同社社員だった山崎さんと臼井さんが共同購入し別荘として使ってきたが、2017年3月から維持管理のため、積水ハウスが所有している。

 講演会は、吉村順三設計の音楽ホール「ハーモニーハウス」で開催。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の松村秀一教授は、同物件が文化財登録された意味について「日本ほどプレハブ住宅が企業的に成功している国はない。その第一号が、原物が建った場所に残っていることは非常に大きい」と語った。

 同社の伊久哲夫副社長は「できるだけ多くの社員に見学させたい。創成期の技術者が大事にしていたものは何か、その後どう変わってきたか、よきDNAとして伝えていく」と話した。

関連記事