軽井沢をテーマに博士号を取得

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 発地で生まれ育った前田一馬さんが軽井沢をテーマにした論文で博士号を取得、3月28日に学位授与式が行われた。

 論文のタイトルは「近代〈軽井沢〉の成立に関する歴史地理学的研究--別荘地の拡大による『季節的な都市』の誕生--」。明治期の外国人による療養地・避暑地から、大正・昭和前期で別荘地として確立・拡大する過程を検証し、軽井沢と東京の関係性の発展や社会的な文脈などを考察している。

 前田さんは小学生の頃から、夏になると急激に混雑する軽井沢の様子を不思議に思っていた。大学生になり軽井沢をテーマに研究を始め10年以上になる。博士号取得について「時間をかけ過ぎてしまったが、ようやくスタート地点に来たという感じ。ここから関心をひろげていきたい」と話す。

 軽井沢の魅力を尋ねると「例えばゴルフ場の拡大や新幹線の開通、アウトレットモールの建設など、賛否のあるものも含めて変化を経験し、避暑文化や別荘文化が形を変え息づいている。新旧の融合が今後の課題だと思うが、全てひっくるめて今の軽井沢として成立しているのが面白い」と分析した。前田さんは4月から立命館大学文学部特任助教として教壇に立つ。

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