軽井沢初のワイナリーが開所 100%軽井沢産ぶどうのワインづくりへ

 小諸市で自社醸造のワインとシードルを販売する「プラスフォレスト」が10月9日、軽井沢初のワイナリー「アンワイナリー軽井沢」を開いた。2011年に閉園した「大日向教会・聖ヨゼフ保育園」の建物の一部を活用する。

実業家雨宮敬次郎以来、140年ぶりの挑戦

 軽井沢でのワイン作りは、実業家の雨宮敬次郎が1883年に挑戦しているが、冬の寒さでぶどうが育たず断念した経緯がある。この日の開所式に集まった関係者を前に、同社代表の松村清美さんは「140年前のレガシーを引き継ぎ、2027年に100%軽井沢産ぶどうで仕込んだワインのリリースを目指す」と決意を述べた。

 今年春からすでに耐寒、耐病性のある北海道十勝地域のぶどうなど2種140株を、園庭だった場所に植栽。「まずは育つことを確認し、来年から欧州の品種にも挑戦したい」と話した。

 松村さんは2001年に埼玉県から軽井沢へ移住した。15年に会社を設立し小諸市でワインぶどう栽培、ワイナリーを運営。生産量の増加にともない新たな施設を探していた所、2人の息子が通いのちに閉園した同保育園を思い出し、所有者に連絡をとり活用することになった。15日には、保育園開設から70周年の記念式を大日向教会で開催。地域住民、保育園の卒園生ら22人に、ワイナリーとして建物を保存・活用していくことを報告。来年春には施設全体を使い、農業やワイン作り体験を楽しめる拠点施設をオープンさせる計画もある。

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開所式で行われた関係者らによるテープカット。

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