地域の自然環境保全を考える 3人の専門家が講演、サクラソウ観察会も
軽井沢町は5月10日、自然環境保全について考えるシンポジウムを開いた。町花のサクラソウをはじめとした希少種の現状や、生物多様性の保全活動などについて3人の専門家が講演し、会場近くでちょうど花をつけ始めたサクラソウも観察した。
(サクラソウを観察するシンポジウムの参加者。)
町の植生学専門員の蛭間啓さんは、希少種を含めた在来の生き物は「自然史を解き明かすための重要な情報源で、自然の成り立ちを考えていくヒントになる」と、在来種保全の必要性を説いた。
町植物園長の新井勝利さんは、同園が管理するサクラソウ自生地の枯れ草を集めて運び出したところ「花をつける数が増えた」と報告。一方で、枯れ草はヒョウモンチョウの幼虫が捕食者から身を隠す役目もあり、植物保全には「地域にどんな生き物がどう生きているか、明らかにしておくことが重要」と説明。
サクラソウ会議の中村千賀さんは、サクラソウの花粉を運ぶマルハナバチが生きていくには、春〜秋に色々な花が咲いている環境が必要とし、「生物の関係性の豊かさの指標になるのが、街のシンボルであるサクラソウ」と話した。




